New Zealand 〜Prologue〜

挑戦の始まり


社会人2・3年目の頃だったと思う。
NewZealandの磯でKingFish(ヒラマサ)を狙うサイトを見て、心を揺さぶられた。
それ以前にハタチくらいの時に、小笠原の磯からGTやイソンボを仕留めるAnglingという雑誌の記事を見たときにも、同じように興奮したのを今でも覚えている。雑誌やサイト等で船からの巨大魚の記事は数多くあるが、磯の記事にはとりわけ心を衝き動かされる。
やはり自分は磯からの釣りが心底好きらしい。

そのサイトを見てから数年後、ふと思った。
NewZealand行こう!

これから先もNZへの挑戦はLIFE WORKとして続けると思う。
それだけ初回のインパクトは大きかった、、、NZ初挑戦の初日で見せつけられたモノが。

当時(2008年)は仕事の関係でバンコクに住んでいたため、シンガポール経由でオークランドへ。
そこから国内線を乗り継ぎ、レンタカーでWaihau Bayへ。途中日も暮れ、真っ暗な道の中をこんな地の果てみたいなトコまでよく一人で来たもんだ、となぜか可笑しくなってしまった。

 舳先に渡船用の足場を取りつける

明けて翌日、記念すべきNZキング初挑戦でやる気マンマンであったが、渡った沖磯ではベイトも見えず、カスリもしない。雨風も強まり、すっかり寒くなり気持ちが折れ、ちょっとインチクでも投げて真鯛でも釣ろうかとすでにヘタれて楽な釣りをしていた。

理由はオシアGT97(ショアモデル)がゲキ重だったこと!おそらく当時では最強だったと思うが、あまりの重量感に振りかぶるたびに手首がキシキシいう始末。竿そのものはとてもいい出来だと思うのだが、グリップの部分にやたらと思いトローリング竿のパーツみたいなものが使用されており、それが満タンの重量感に仕上がっているのだ!!

午後になると沖に出ていた渡船の船長の息子Scottが磯に乗ってきた。
『NZの磯釣りを見せてやる!』こちらではカモシ袋みたいなものをロープで縛って海に投入し、それで小魚(といっても2-5kgのカウアイやシマアジ)を寄せ、それに大魚(キング)が回遊してくるのを狙う、といったシロモノ。


  シマアジを泳がせ、ウキは風船、あくまで磯際を狙う  これがNZスタイル


しばらくすると潮も変わり、コマセが効いてきたのか、Scottが『キングが来たぞ!!ルアーを投げろ』と叫ぶ。
こっちはその時点でまだ萎え萎えで性懲りもなくインチクなどを投げていたが、半信半疑でポッパーを投げることに。すると数投目で磯際ギリギリのところでドッパーン!!とバイト、あまりにもキワでのヒットであったため、身体が完全にのされてしまうが、そのためのオシアGTショアモデル、全力で竿を立て、何とかランディング成功。1m・10kg弱のキングであった。
初NZキング! 嬉しい

この1匹で今度はアドレナリン噴火状態。オシアの重さなどなんのその、続けてポッパーを投げまくる。すると今度は沖目でヒット!先ほどと同じくらいだが今度は落ち着きファイトを楽しむことができた。

立て続けに2匹上げることができ、ここまで来た感慨深い思いに浸りながら休憩でも、と横たわるキングを見ながらニヤニヤしていると、Scottが『ちょっとPopper投げてみてもいいかい?』と言ってきた。
もちろん、とオシアを渡し、自分は後ろの方で未だ余韻に浸っていると海面の方から
ゴッボーン!!
とモノスゴイ捕食音が!オシアは既に満月状態。ガタイがいいScottもかなりきつそうで、ドラグがどんどん出ている。それをポンピングでなんとか寄せ、水面に浮いてきた魚体を見たときに驚愕してしまった。これがNZサイズか!!
Scottが準備してきたカジキ用のギャフで自分がかけようとするも、あまりの大きさに動揺してしまい、何とギャフをリーダーに絡めてしまうといったヘッピリな失態が途中あるも、二回目で何とか下あごにギャフかけ成功!あまりの重さにScottと2人で磯にずり上げる。

上がった魚体は先ほどまでのメータークラスとくらべ、それらが小学生サイズに見えるほど。
桟橋に帰って計測すると、何と23.8kg!!
でもそれ、自分のタックルであがったんですけど、、と悔しさ満点だが、この地をホームグラウンドとし、磯からの記録はナント28kgという素晴らしい実績をもつScottの安定感あるファイトだからこそ獲れたのだろう。

磯から23.8キロは立派

その時桟橋に通りかかったおばさんとScottの会話を今でも覚えている。
おばさん:『大きい魚ね、ボートで行ってきたの?』
Scott:『いや、磯からだよ!!』この『磯から』というのを英語でOff The Rock!!というんだね。
だからこのサイトの名前がOff The Rockなんです。


並べるとメータークラスが子供サイズだね、、、、。


初日はこの1匹でタイムアップ、目の前でそんなサイズを自分の道具で釣られるというのを見せつけられ、心中穏やかであるはずもなく、2日目は夜討朝駆けでScottを叩き起こして行こうとするも、大シケ&大雨で釣りが中止に!あー悔しい!

23キロを上げたトランペット ST-66 5/0は延ばされ、リアフックは既に飛んでしまっている。
リングは強度250ポンドだったけど、、、、。キングのパワーは凄まじい。

3日目、昨日十分休んだので体力は満タン、雨も止んでいざ!と行きたいところだが、NZの磯は雨に弱い。昨日まで降り続けた雨の影響で水はババ濁り、沿岸の釣りはこれは厳しいな、、という状況に変わってしまった。それでもチャンスを求めて投げ続ける。Scottも何とか魚を寄せようと一生懸命サポートしてくれていた。
それでもやはり当たりは一向になく、終了間際Scottが『帰る日程を1日ずらせないのか?』と聞いてくるが、そこはタイトスケジュールな悲しきニッポン人、それはできないから何とかあと1時間だけ粘らせてくれ、と伝え、マン振りフルキャストでルアーを投げ続ける。

やはりドラマは最終回に訪れた、、、、。
フルキャストしたルアーに初日のサイズを超えていそうなキングが反転してバイト!!!
これはやばいと思った瞬間ドラグが唸りだし、自分は腰を落として耐えるのが精一杯。
幸い沖目でヒットしているため、水深は30m以上ある。なんとか止まってくれれば、、、と思い耐えているがこちらの考えを見抜くように一度も止まらないまま130ポンドリーダーがラインブレイク。
しかも腰を落として耐えている自分はブレイクの反動で磯をゴロゴロと転がり、まさに完敗であった。

横で見ていたScottは、『今のは一か八かベールを返してフリーにするしかなかったな、切られるときは400ポンドでも切っていくからね』とのコメント。

釣りの全日程が終わり、翌朝別れ際にScottが言った。
『あのPopperを取り返しにまた来ないとな!』もちろん再戦を近い、帰途に就こうとするが、彼はそのまま今度はカジキのトローリングに行こうとしていた、、、。ほんとにあんたも好きモンだね!

恐るべしNZの磯&キング、そしてNZアングラー。
いつかは30kgオーバーをこの地で磯から獲りたい。




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